File3 受講者の声

受け身からの脱却!!職場から信頼されるリーダーに。

社会福祉法人 宇医会 蕉夢苑
1995(平成7)年、熊本県宇城市に特別養護老人ホームを設立したのが始まり。現在では特別養護老人ホーム(定員70 名)に加えて、デイサービス(35人)、ケアハウス(30名)、住宅介護支援といったサービス展開を図っている。

左から順に、施設長の小篠氏、デイサービス主任の山下氏、介護主任の津志田氏、在宅課長の田代氏。

左から順に、施設長の小篠氏、デイサービス主任の山下氏、介護主任の津志田氏、在宅課長の田代氏。田代氏が山下主任の直属上司にあたる。インタビューでは、山下氏の研修受講前
後の変化について話していただいた。

役職に対するプレッシャーと不安

――人材育成に対する施設長の思いやお考えは?

小篠 施設運営で一番大事なことは、中間管理職にあたる主任層のレベルアップに尽きます。どのようにしたら研修を通じて変わっていくかというイメージが、リーダー育成講座のパンフレットを見ていて伝わってきたんですよ。「この研修で職員が変われるのではないか!?」と。2カ月という長期間で、受講者一人ひとりが課題を見出して、その後どうなっていくかというのが明確でしたし、何よりこういうスタイルの研修が画期的だと思ったんですよ。

――最初にリーダー育成講座を受講したのは山下さんと斉木さんですが、なぜ2人が選ばれたのですか?

小篠 当時、二人は副主任になったばかり。年数が経過した職員よりも、突然主任になった人を引き上げていく方が重要だと思っていました。最近、一般企業でも主任になった人は、管理職になりたがらない人が多いと聞きます。そのような中で、彼らを不安、プレッシャーから解放させたいという思いがありました。

山下 確かに、主任という役職を頂いた時には「今までとは違う」というプレッシャーが大きくのしかかってきました。「自分がしっかりしなければならない」。そういう意識がありましたよ。

――2名で受講させることについて、何か意図があったのですか?

小篠 研修までの道中、主任同士でお互いの話ができることに意味があるのではと。私の経験上、自分が悩んでいることなど、色々なことについてお互いに話をする中で学ぶことがあると思っているんですよ。自分が不安に思っていること、他施設で起こっていることなどを主任同士が話し合うことにより、解決の糸口が見えてくる。そう考えると、往復の移動時間は、同じ悩みをもつ者同士が考えを刷り合わせる時間にもなっていると思いますよね。

山下 普段、勤務している場所が違いますからね。役職者同士の接点が全くなく、勤務時間も異なります。食事をする場所も違います。帰る時に更衣室ぐらいでしか話す場がないので、そういう意味でもリーダー講座に行き帰りの道中で話ができたことは良かったと思いました。

――施設長からはどのように声かけをされたのですか?

山下 小篠から「ぜひ受けたほうがいいよ」と。最初は、強制参加だと思いました(笑)。ただ、誰もがこういった講座に行ける訳ではないと思いましたので、行くからにはしっかり勉強してこなければと覚悟を決めて参加させてもらいました。パンフレットを見ていると、2ヵ月間で段階を踏んで進んでいくカリキュラムでしたので、参加しやすかったです。

不安と義務感からの脱却

――山下様の受講後の変化をどのように感じましたか?

小篠 明らかに変わりましたね。当時は、主任という役職に対する不安からか、全てを受身的、義務的に捉えていた気がしましたが、“やらなければならない”という気持ちになり、積極的に自分で取り組んでいこうという思いに変わっていったのではないかと私は見ています。

――田代様(山下様の上司)から見ていかがでしたか?

田代 私の部署、在宅部門からは、山下以外にももう1名が参加しましたが、積極性という点で大きく変わったと思います。受講前は、事後報告や「どうしたらよいでしょうか?」という相談が多かったのですが、受講後には「こういう風にしたいんですけど…」と自分の考えを打診するように一転していました。他にも、現場職員に対する指導の仕方が変わってきたと思います。以前は職員と詳細まで関われていなかったと思いますが、今では一人ひとりをしっかり見ているという印象です。何より、その職員がふてくされることなく仕事に向かうようになった。そのことがすごいと思いました。受講前と同じ接し方をしていたら、今頃はふてくされていると思います(笑)。

――山下様自身は、ご自身の変化をどのように思いますか?

山下 自分では何気なく指導したつもりでしたが、他の人から見ると、接し方が変わったと見られていたのでしょうね。

田代 初回研修を受けた当時、ちょうど人事考課の評価を施設で実施していたのですが、その時に山下さんが面接で「部下のこういう点がすごいです!」と私に話をしてくれたんですよ。

山下 職員は一人ひとり性格も違えば、接し方も違うじゃないですか。そういうことを自分の中で無意識のうちに抱えていたのでしょうね。

「一歩踏み込む」主任としての決意

――当時立てられた目標を覚えていますか?

山下 「自分から一歩踏み出す」ということを書きました。自分から一歩踏み込んで、相手と会話をするとか。リーダー育成講座に行ってから、確かに自分の中で変わった部分があるんですよ。自分に自信をもって、職員指導をしなければならないというプレッシャーの中で、まずは自分が変わらなければならない。だから、自分が周囲に溶け込んでコミュニケーションをとっていくことに注力したつもりです。

――その成果が出ていたんでしょうね。

田代 そうですね。最近は山下に任せることに対する安心感もでてきたかと思います。先日も、私に対して事前に打診してくれたことがあり、私から上司に相談した上で、結果を山下に返答する予定だったのですが、私が伝えていなかった。その時に、山下の方から“念のための確認”をしてくれました。

山下 お褒めの言葉、ありがとうございます(笑)。確かに、自分の中で、責任を果たさなければならないという意識がありましたよ。一度聞いたからそれで終わりというのではなく、自分の中で「あの件はどうなったのか」という経過を頭に入れて、業務を把握しておかなければならない場面でした。

――部下に対する目標を覚えていますか?

山下 はい。「〜しなさい」という一点張りではなく、“何故できないのか”を詳しく聞くという声かけに取り組んできました。発言の仕方が、受講前と比べて最も変わったと思います。心の中で思っていても、発言しなければ相手に伝わらない。やはり“自分から一歩踏み出す”という勇気が必要ですよね。今では自然と上司に「報告・連絡・相談」ができています。

田代 デイサービスの職員に対して、職員の中で最も話しかけているのは、山下だと思います。隙間時間を上手に使って、色んな職員とコミュニケーションをとっている時間が、一番相談の時間になっているのかなと思います。

山下 業務時間は利用者さんもいらっしゃいますし、空いた時間をうまく見つけられないじゃないですか。送迎の車に乗っている時間の中などで、空いた時間を活用しています。今では、ある程度、習慣化する段階まできたと思っています。

主任に必要なマネジメントの学習

――講座に参加されてから2年が経過しますが、現在の状況はいかがですか?

小篠 よく成長したなと(笑)。

山下 ただ、やはり足りない部分もあるんですよ。100%では決してない。いかに部下のことを分かるかどうかが今後の課題です。

小篠 元々、山下は真面目な性格でしたよね。だからこそ、部下に対する接し方が急速に上達したと思います。最近では、チーム全体が一丸にまとまってきたと感じます。

山下 私は同じ主任の斉木さんと一緒に参加しましたが、彼女は非常に変わったと感じました。積極的で、同じ主任としてすごいなと見ていて思いましたよ。受講前は、私に遠慮していた一面もあったのですが、2カ月間を通して次第に積極的になりました。主任として、私ももう少し頑張ってみようと思うようになりましたよね。

小篠 リーダー育成講座を受講した主任の中では、経験年数が最も長いのは山下です。主任になった職員は“ベテラン”と呼ばれるように、色々な知識やスキルが身についていて当然ですが、主任になるまでにマネジメントに関する基礎的な学習はしておいた方がいいんじゃないかと思いますよ。

――外部研修と、施設内研修との違いはありましたか?

山下 外に出るほうが緊張感もありましたし、他施設での取り組みなど、様々な情報収集ができました。自分も知らないことが多いですよね。そういった意味で、リーダー育成講座に参加して良かったと思います。

(文責:編集部)

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